古来6月と10月は衣替えの季節です。瑞江ホームでもこの時期にご利用者の布団を替えたり衣類の不足を補ったりしています。
掛け布団は一斉に薄物に交換します。皮膚病の予防も含めて気持ち良くお過ごしいただくために行うものですが、日本の風土に合わせた習慣でもあるのでお年寄りにはとりわけ気持ちを新たにする効果があるように思われます。うっとうしい季節も過ごしやすくと工夫していきたいものです。
衣類の点検も行います。夏場には肌を露出する機会も多くなりますが、皮膚の弱い方は素肌で椅子の手すりに触れるだけでも皮が剥けるといった危険もあり得ます。冷房による温度調節の安定も考えて薄手の長袖はご用意いただきたいものの一つです。お一人ずつ下着やシャツ・上着、ズボンなど細かく点検してご家族等に準備をお願いすることとしています。ご家族がお持ちくださいましたとご利用者に手渡すと嬉しそうに受け取ってくださいますので、スタッフもやりがいを感じます。
デイサービスでは毎月季節を感じる飾り付けを入り口に置いて、ご利用者の目を楽しませてくれています。5月はこいのぼりや草餅、6月は金魚やさくらんぼなどが折り紙などで作られ、見るものの心を浮き立たせてくれます。もちろん生花と見紛うほど生き生きした花々も彩り豊かに飾られています。先日はそれに加えて本物のアジサイも彩りを添えました。きっと虹色の夢をもたらしてくれるに違いありませんね。
食中毒や感染症の警戒を怠らず、夏の季節を快適に乗り切ってまいりましょう。
2月に100歳のお誕生日を迎えられたご利用者がいらっしゃいます。当日はお子様、お孫様などご家族様がお祝いに見えられ、いかにもご利用者を大切にされておられるご様子がうかがわれる言葉かけやプレゼントをくださいました。
他にも斉藤江戸川区長から記念の色紙や記念品、花束が贈られ、最後に職員からもお祝いの花束や寄せ書きが贈られました。
今からわずか50年前には江戸川区在住の100歳以上のかたは一人もいなかったそうです。それから2~3年後に初めて100歳に達する方がいらっしゃったとのことですが、現在区内には100歳以上が230人おられるそうで、人生100年時代の到来を実感する話です。
100年生きるとはどういうことか、少なくとも健康優良児でなければならず、人生を通じて自分がやりたいことを貫き通せる強い意志とストレスに挫けない心の余裕を持ち続けられるだけの豊かな人格が必要であると、あるお医者様から以前に伺ったことがあります。100歳に限らず、ほぼ同等の長寿を生きてこられた方は例外なしにその言葉を実感させてくださる方々でした。
寿命は天から与えられたもので人為的に制御できるものではないと言われますが、一日一日を自分らしく自然に過ごしていきながら、いつしか百寿を迎えることができればこんなに素晴らしいことはないでしょう。瑞江ホームのご利用者様が皆さんそうであって欲しいと願わずにはいられません。同時に一日一日を悔いなく充実して過ごすことができれば寿命の長短にかかわらずその人らしい人生を貫いたと言えるのだろうとも思います。私たちがご利用者のケアをするにあたって目標としているのはそのことです。百寿の喜びをかみしめつつ、改めて瑞江ホームが果たすべき役割を感じた一日でした。
明けましておめでとうございます。
今年のお正月はやや風が強い日があり寒さが実際以上に感じられることもありますが、総じて穏やかに晴れる日が続いています。
1月5日に江戸川区主催の賀詞交歓会がありましたが、会場のタワーホール船堀の5階から富士山がくっきりと見え、何か今年は良いことがありそうな心持がいたしました。コロナも未だ収まらず全国的に最悪の感染状況を更新していると伝えられています。それでも変異株も含めコロナウイルスの振る舞いが相当程度分かってきたからでしょうか、総体としてはウィズコロナ、アフターコロナを見据えて感染への警戒から経済社会活動の活性化へ徐々に重点が移りつつあるようです。ただし、瑞江ホームは感染すれば重症化するリスクの高い高齢者施設ですからまだまだ警戒を緩めるわけにはいかないと考えています。そうした中でも万般の感染予防策をとりつつ、コロナで希薄化した外部とのつながりや絆を少しずつでも修復し、ご利用者の笑顔を増やしたいと強く思います。
江戸川区は昨年「2100年江戸川区共生社会ビジョン(素案)」を作りました。80年先の社会の姿を描こうという発想自体がすごいなと思いますが、何もしなければどんな社会になるのか、一方何かをすれば何がどう変わるのか、多くの住民が集まって議論しながら作り上げたプラン、しかも固定したものでなくこれからももっとおおくの意見を取り入れながらより良いものにしていくことを当然の前提としたプランほど次の時代を若い人たちに託さなければならない高齢者にとって心強いものはないのではないかと思います。瑞江ホームのご利用者はじめご家族や関係者の皆様にもこうした未来に希望を託すことのできる喜びを実感してもらえる機会が増えればいいと願います。あの日の富士山のように、遠い先の最初の1年が希望に満ちた年になりますよう頑張ってまいりましょう。