コロナ対策は様々な場面でご利用者の生活様式にも影響を与えます。とりわけ食事について特養ホームやデイサービスでは時間を決めて会食形式で行うことが通常なので、対面する相手と距離を取ることを求められます。さらに食事の場所は日中の主たる生活の場所でもあります。つまりリビングダイニングルームです。ですからテーブルは部屋の主役であり、単に機能的であればよいのではなく、場合によっては一日の気分をも左右するほどの影響力も持ち得ます。
瑞江ホームでは、特養ホーム・デイサービスともに30年余り前の創設以来テーブルは変わることなく使い続けてきましたが、この際すべてを一新することとしました。
デイサービスでは幅180cm×奥行120cmの幅広のテーブルを揃えました。安心感のある木製で天板も厚く重量感がありますが、片側2脚にキャスターを取り付けることにより一人でも移動が可能です。以前のテーブルは折り畳み式だったこともあり、安定感も増したようです。テーブルの脚も天板と同じ素材で作られているので明るく落ち着いた雰囲気になりました。介護用に特化したものを選んでよかったと思っています。
特養ホームのテーブルはさらに工夫しました。食堂スペースに限りがあるうえ、車いすの利用者が大半であり、その車いすの大きさ・高さ・形状もバラエティに富んでいるので、効率よく皆がテーブルにつくことができ、形や高さを変えることも可能なものをと考えました。行き着いたのは、2つのテーブルの長辺を合わせると直径180cmの円内にピタリと収まる正六角型になる大きさの台形テーブルでした。正六角型にして使う時は、6人が座る一辺の幅は90cmで十分な大きさがあります。対面する相手との距離は最低160cm以上とたっぷりあり、ラチェット式の脚の高さは20mmピッチで10段階に変えられる優れものです。こちらも片側2脚にキャスターをつけたので移動も楽になりました。
1つだけを壁に向けて使っても3人が一緒なので孤独感がありません。色はデイサービスと同じ明るい茶色で、同系色の床とマッチして明るくなった気がします。実際ご利用者から「明るく良くなった。」との声が聞けましたし、先日は介護福祉を勉強中の実習生からも「古いテーブルの時は間の空間が非効率に感じていたが、テーブルが変わってご利用者同士、あるいはご利用者と介護職員とのコミュニケーションも取りやすくなったように感じた。」との感想もいただきました。
コロナ対策の基本は「ウイルスを持ち込まない。持ち込ませない。」ということにありますが、生活様式も含めて見直す機会にもしていければと思っています。地道に着実に幅広く対策をしながらコロナ禍を乗り切っていきますので、これからも皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
この度新たにiPad(iPad Pro 11)を使ってのビデオ通話によるご家族との面会を実施しました。前とは違って利用者様が居室でビデオ通話ができ、また画質が格段に向上しました。ご利用者も「すごい。昔はこんなのなかった。こんなにくっきり映るんだね。」と驚かれた様子でした。また、ご家族からも画質がきれいで、久しぶりに居室の様子が見られてよかったとの喜びの声があり、初めからiPad効果を実感できたようです。
コロナ禍の中で始まった試みの一つですが、オンラインによる面会はコロナが終息したとしても活用できれば効果が大きいと感じています。今回iPadを装備して手軽で質の高いオンライン面会の環境を整備できたことは、大変ありがたいことですし、業務の合理化や品質向上にも大きな推進力となることは間違いありません。
新型コロナウイルス感染症は私たちに様々な課題を突き付け続けています。感染すれば重症化しやすいとされる高齢者施設でどのような予防策を取るべきなのか、万一感染者や感染の疑いがある者が出た場合にはどのように対処したらよいのか、一度決めればそれをやり続ければよいとも限りません。国を挙げて議論された結果に従いながら、瑞江ホームの実態に合わせて個々に具現化すべき形は何かを判断していかなければなりません。その時大事なのは、「思いやる心とその実践」という法人理念を常に念頭に置くことだと思っています。例えば感染防止のために人との接触をなるべく控える方が良いということは分かりますが、その結果、家に閉じこもってコミュニケーション能力や活動機能が一気に落ちてしまうということがあっては逆効果です。その人らしい生活を続けるには何が必要かを考えながら感染防止策を実行することが法人理念にも沿うことだと思います。職員にとっても、勤める施設が担う役割と目標が明確であることが「働きやすい職場」の第一の条件ではないかと思います。
瑞江ホームはこれからもご利用者やご家族の共感を得ることを最優先に事業を進めてまいる所存です。
※ 写真の一部を修正しています。
小岩の善養寺で影向菊花大会が開催されていますが、瑞江ホームではコロナ禍の状況を考慮して今年は訪問を見送ることといたしました。残念ですが、感染防止のためにはやむを得ないと判断しました。その代わりというわけではありませんが、毎年丹精込めた菊の鉢を数多く飾ってくださる篤志家が今年も素敵な菊を届けてくださいました。
玄関前や各フロア等に飾らせていただき、ご利用者や来訪される皆様の眼を楽しませてくれています。
菊を育てるには大変なご苦労が伴うと言われます。「菊作り菊見るときは影の人」は作家の吉川英治さんの名句で結婚披露宴のスピーチではよく使われますが、瑞江ホームでこの菊を見るたびにそのご苦労がしのばれ全く感謝に堪えません。
菊の原産地は中国で3,000年の歴史があるとされます。栽培されるようになったのは紀元5、6世紀の頃ですが、日本に入ったのは奈良時代の末か平安時代初めと推定され、万葉集には菊を詠んだ歌は1首もなく、古今和歌集あたりから盛んに詠まれるようになったとのことです。日本で改良を積み重ねた菊は和菊と呼ばれ、今も愛好家の挑戦意欲をかきたて続けています。長い歴史があることも春の桜と並んで秋の菊が日本を代表する花と称えられる所以なのでしょう。
菊の花言葉は「高貴」です。かつてこのブログで影向菊花大会の「影向」とは神仏が仮の姿をとって現れることをいい、丹精を込めて育てた菊が、まるでその様に感じられることから大会が名付けられたことを紹介しましたが、なるほど高貴の極致が神仏とはさもありなんと感心してしまいました。
そう考えると菊づくりとは、複雑で繊細な作業手順や技術の高さが求められるのとは別に身も心も荘厳な気高さを持っていないと良くなし得るものではない気がします。
毎年瑞江ホームに菊花を飾ってくださる篤志家の方がこれからもずっとお元気で菊づくりに励んでいただけるように応援するには、ご利用者の皆さんが元気で充実した毎日を送っていただくことが一番だと思って瑞江ホームを運営してまいりたいと思います。
今年はコロナ禍の影響で各地のハロウィン行事が中止されたり、バーチャル空間での様子を楽しむことに趣向を変えたりと大幅にハロウィンの様相が変化しました。例年大騒ぎが繰り広げられる渋谷の街も至って平和だったようです。
瑞江ホームには毎年東部認証保育所の子どもたちが仮装してかわいい手遊びを披露しに来てくれるのですが、今年は無理かなと半ば諦めていたところ、やっぱり来てくれました。とはいえフロアには入らず玄関前でご挨拶という運びにはなりましたが、そこはご利用者も心得たもので今年は代表者がお出迎えする形にし、少し離れたところから仲介の職員がお菓子を手渡しました。
当初の予定では姿を見せるだけでしたが、手遊びをいくつも演じてくれましたので、見ていたご利用者も満足そうでした。今回は散歩を兼ねてということでしたが、天気が良かったので全園総出で来てくれ、手遊びを披露してくれた2歳児以外は周りで物珍しそうに見物です。あとは水分補給と休憩をして帰って行きました。
来年もまた元気な姿を見せてくれることを楽しみにしています。それまで感染症などにも負けずお互い元気に過ごしてまいりましょう。
瑞江ホームに入所されているご利用者のご家族(娘さん)からお花を頂戴しました。驚くほどたくさんありましたので、お父様のいらっしゃるフロアはもちろん玄関の受付、各フロアにも分けて飾らせていただきました。バラやカーネーションなどいかにも見栄えのする華やかなものが多く、周囲がいっぺんに明るくなりました。
コロナ禍で外出の機会が減り、季節の移ろいを感じることも難しくなっている中で風情溢れる花の彩りはまことに貴重で心から感謝申し上げます。
ところでバラは花色、つぼみ、とげにも花言葉があり、あらゆる花の中でもっとも多くの花言葉を持っていることを知りました。バラ全般の花言葉は「愛」と「美」ですが、細かく見るとたくさんの花言葉があります。次に掲げるのは一例です。
赤いバラ 「I love you」
白いバラ 「純潔」
ピンクのバラ 「しとやか」
青いバラ 「夢かなう」「不可能」
黄色いバラ 「愛情の薄らぎ」
赤いバラのつぼみ 「恋をするには若過ぎる」
バラのとげ 「不幸中の幸い」
愛と美の象徴であるバラはこうしてみると若い人にこそ相応しいとも言えるのでしょうが、翻って考えると老いてこそその真価が味わえる気がします。瑞江ホームのご利用者からいつかはその神髄に触れたお話がうかがえないものかと期待してしまいます。
6月に予定していたお買い物サロンと銘打ったイベントを新型コロナウイルス感染症の状況から見合わせていましたが、一度に入場できる人数を限定するなどの対策を講じながら10月に実施しました。
長かった残暑から一気に秋が深まったような季節の移りようで、冬物衣類を中心に販売は好調だった様子です。延期の影響もあったかも知れませんが、業者の方のお話では売り上げは前回の2倍ほどだったとのことでした。
かつては量販店まで出かけたこともあったとのことですが、入所者の要介護度も重くなり、交通手段の確保も難しくなるなどで現在のように所内での展示販売の形になりました。そのため展示できる数に限りがあるのですが、それでも自ら商品を選べる楽しさは格別といってよいように見受けられます。
こうしたイベントでは、全ての参加者が満足できることは無理としても、できる限り多くの満足を得る工夫をすることが大切だと改めて思いました。そのポイントは事前のリサーチにあります。参加意向のあるお一人おひとりに対して「何がどれだけ欲しいのか」を調査した上で、ご家族の意向も伺いながら「上限額」を設定しておくことが重要です。そのうえで展示品の種類と量をある程度業者に調整してもらうようにいたしました。付き添いのご家族がいらっしゃらなくても案内役の職員がご利用者のニーズを把握して上手にアドバイスしながら買い物ができましたし、また、ご利用者の入れ替え時間も短時間で済ますことができました。
感染症対策も意識しながら、より満足度の高いイベントをこれからも工夫していきたいと思います。
三密と言えば、密閉、密集、密接の三つの密をいい、コロナ対策として三密を避けることが極めて重要だということは、今や常識になっています。
私事で恐縮ですが、先日法事のため真言宗のお寺に伺った際、ご住職から三密には別の意味があることを教えていただきました。
密教では仏様の身、口、意の三つの行為を三密というそうです。密とは不思議という意味で人間の理解を超えていることだそうです。身は仕草、口は言葉、意は心であり、身密(しんみつ)、口密(くみつ)、意密(いみつ)として現れる仏様の仕草、言葉、心は人間の理解を超えた不思議なものだというのです。人間では、身、口、意の三つの行為を三業(さんごう)と呼びますが、身に印を結び、口に真言を唱え、意に本尊を観ずる場合、人間の三業は仏の三密そのものであるとされるのです。
仏道を成ぜんとすれば三密を会得すべしとでも言ったらよいのでしょうか。コロナ対策として避けなければならない三密とは逆の三密もあるのだと知りました。
余談ですが、総本山が奈良の長谷寺で、昔疫病が蔓延した時代にそれを鎮めるために仕立てられた「除疫札」と「除疫守」を復刻し、加持したものをいただきました。宗旨に関わりなくどんなものでもないよりはいいかと思い、ホームにも置いてあります。ただし、頼るのではなく自分たちで主体的に感染防止に努めることが大切なことはもちろんです。それでもコロナ禍を無事乗り越え、終息を迎えることができたらお礼参りもしてみたいと思わないでもありません。
9月は敬老月間です。区内の特別養護老人ホームなどでは毎年江戸川区長さんをお迎えして長寿を祝う行事を行ってきましたが、今年はコロナ禍の最中で区長さんの訪問は取り止め、ボランティアの皆さんによる歌や踊りのプレゼントも中止といたしました。
しかし、瑞江ホームでは何とかご利用者の皆さんに楽しんでいただく機会にしようと工夫して実施しました。江戸川区長さんからもお祝いのメッセージが寄せられましたので、併せてご披露させていただきました。
3密を避けるため2組に分けて行い、午前と午後で映画上映と職員によるソフトタッチのマッサージ(セラピューティックケア)を受けてもらい、マッサージの合間にフロアごとに記念の手形を模造紙に押してもらいました。午前、午後では組を入れ替えます。映画はリクエストが多かったものを選びましたが午前は伊豆の踊子(吉永小百合主演)、午後はハチ公物語(新藤兼人監督)と誰が見ても涙を誘う作品になりました。
新鮮だったのはいつもメインの挨拶は理事長や施設長と決まっていましたが、今回は職員の代表が行いました。この形はもっと増えてもよいと思っています。いつものようにご来賓をお招きできず、寂しさがありましたが、逆に時間や形にとらわれず気軽に親しめるものになったかなと思われます。
長寿の集いそのものは来年またボランティアの皆さんによる演目を中心にご家族や地域のみなさんもお招きして賑やかに開催したいと思っていますが、自由な形で利用者が楽しめる職員手作りのイベントを増やせればと考えています。
さて、利用者の皆さんの感想はというと「楽しかったよ。」「映画を見て泣いちゃった。」「自分の誕生日が近かったこともあって、手形は良い記念になりました。」など楽しんでいただけたようです。
7月の気象は梅雨前線や低気圧の影響で日照時間が少なく雨が多かったために猛暑日は1日も無かったのに比べ、8月は一転して連日厳しい暑さが続きついに29日には東京の気象観測史上8月としては最多の猛暑日を記録するに至りました。ご利用者の皆さんも施設内に閉じこもることが多く散歩に行くことも難しい状況です。加えて新型コロナウイルス感染症の影響もあって活動機会が減っていることも事実です。
そんな中で30日の日曜日に行うレクリエーションとして玄関前での打ち水を担当職員が企画して実施しました。
この日も大変な暑さでしたが、いつもより多くのご利用者が参加してくれました。職員は、室内で行うレクリエーションだと毎回同じような内容で、種類と参加人数が限られるので、短時間で多くのご利用者が参加できるようにと外気浴を企画したとのことでしたが、狙い通りの結果となりました。
初めはやりたくないと言っていたご利用者も、じょうろを渡すと手放すことなく笑顔で水を撒いてくれました。時間が経って終わりを告げると「えー、もうなの。」と残念そうにしていました。他にも「外で水を上げるのが楽しかった、機会があればまたやりたい。」とのお話がありましたし、普段表情の変化が乏しい方もこの時ばかりは楽しそうに参加してくれました。熱中症の厳重警戒もあって短時間でご勘弁いただくしかありませんが、打ち水による体感温度の低下を実感していただけて良かったと思います。
ご利用者の外出機会が少なくなってストレスが溜まっているのではと心配し、少しでも涼を感じてもらって気分転換になってくれればとの担当職員の思いは見事に実現できたようです。加えて例年のこの時期は行事が少なく、記念になる写真も少ないので、今回は季節感のある麦わら帽子をかぶりながら写真撮影も行ったので一層楽しいものになったと思われます。
これからもご利用者の思いに寄り添って工夫しながらお世話をしていきたいと思っています。参加されたご利用者と職員の皆さん、暑さに負けずこれからも頑張ってまいりましょう。
7月29日にご利用者の皆さんに楽しんでいただこうと縁日を開催しました。
例年暑気払いとして行っている行事ですが、今回は花火を取りやめ、時間帯を夕刻から昼間に変えて、場所も1階のホールから5階のリハビリルームへ変更して行いました。
その理由は言うまでもなく新型コロナウイルス感染症への警戒です。3密を避けるため、時間区分を設けて部屋への入場者数を制限させていただき、滞在時間を減らすため出し物もヨーヨー釣り、輪投げ、お菓子掬いの3種に限定しました。
それでも皆さんに楽しんでいただこうと瑞江ホーム名物の大太鼓を展示したほか、それぞれのお店をなるべく華やかに飾り付けて雰囲気を盛り上げたり、またお好きな景品を選べるよう全体を見えるように並べるなど工夫しました。
おかげさまで皆さんの笑顔がたくさん見られ、楽しいひとときを過ごすことができました。中には上手に太鼓をたたかれたり、欲しい景品を取るため輪投げを頑張られたり、お菓子掬いは皆さん張り切ってチャレンジするなど、短い時間ではあってもエッセンスは伝わったのかなと思います。
ウィズコロナの過ごし方は知恵が必要だと感じます。とりわけ施設にあっては生活が単調になったり、人とのふれあいが減ることによって元気がなくなったりすることを防止するためにいつも考えていかなければなりません。そうした経験はコロナ禍が終息し、ポストコロナの時代になっても必ず生きてくると信じて毎日を送ってまいりたいと考えています。
食事の楽しみはどなたでも共通ですが、ご利用者一人ひとりの摂食嚥下機能に応じて食形態を工夫しています。しかし、食べる工夫は食そのものだけではありません。食事介助の技術や口腔ケアの大切さはもちろんですが、食事の雰囲気づくりも大いに効果があります。
先日「だがしやさん」と銘打っておやつバイキングを行いました。5種類のおやつを用意し、お好きな3種類を選んでもらうというもので、どのような食形態の方であろうと召し上がることができるよう軽く咀嚼でき消化の良いものにしました。できるだけ「こういうの、昔からあったね。」と懐かしがっていただけるような「駄菓子」であればよいと思って選びました。ただし、普段からミキサー食の方だけはバニラアイスかキウイゼリーのどちらかを選んでいただくことにしました。
今回はお皿を工夫したことも大きな特徴です。使い捨ての紙皿に駄菓子屋の店頭を模した「塗り絵」を張って立ち上がらせ、お一人ずつに配りました。それにご自分が選んだ駄菓子を取っていただき、少しでも「だがしやさん」の店頭にいる気分を味わってもらおうという工夫です。色を塗るのは塗り絵のできるご利用者に手伝っていただきましたが、楽しんでいただけたように思います。中には「駄菓子屋と言えば昔から○○と決まっていたものよ。」と職員に教えながら素敵な塗り絵を仕上げてくださり、まさしく「自立した生活」を送っていただきました。
本番のおやつの時間は、我先にと目指す駄菓子を確保しようと張り切るご利用者もいて大いに盛り上がりました。「普段より多くお菓子が食べられた」「お煎餅をたくさん食べられた」「3つも選べて幸せ」などの声があり、次回も企画しようと思います。
反省させられたのは、特定の種類が売れ残る傾向があり、配布が最後の方のご利用者は選択することができなかったことでした。次回はぜひ改善して実施したいものです。
まだまだ新型コロナウイルスへの警戒を緩めることができない日々が続きます。そうした中でもご利用者の皆さんに楽しく生活をしていただこうと模索をしながら事業を運営してまいりますので、皆様方のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
瑞江ホームではお盆の時期に、迎え火、送り火を行い、法要を営みます。
行事の目的は、この1年間に入所中亡くなられた方々とご利用者のご先祖の霊を弔うとともに、その功徳をもってご利用者ご自身が必ず成仏できることを確信する意味もあります。
例年は各フロアに祭壇を設け、その前にご利用者に集まってもらって社会福祉法人東京福祉会のご住職による法話会を行い、全員がお焼香する形で行いました。今年は密を避けるため、5階のリハビリテーションルームに祭壇を設け、各フロアの代表者が集まる形にしました。
同じ日の午前中に迎え火行事も行いました。こちらは基本的に全員参加なので法話会が代表参加でもお盆行事の意味は共有出来たかなと思います。
施設玄関前で火を焚き、ご利用者は一人ずつ苧殻(皮を剥いだ麻の茎)をくべるのですが、今回はあいにくの雨のため玄関内側に炉を置き、火は焚かずに苧殻を炉に入れてもらいました。その後玄関からエレベーター前まで火の入った提灯を持ち、諸霊を迎え入れていただきました。
迎え火のやり方一つとっても地域によって様々ですが、瑞江ホームでは少しでも心に残るようにと私たちの先輩が考えてくれた方法なので、できるだけこれを受け継いでいきたいと思っています。
今年は新型コロナウイルスの影響で形が若干変化しましたが、コロナ禍の早期終息を願うことも含めて意義深い行事になったと考えています。合掌。
今年も七夕の季節になりました。千葉県袖ケ浦市から取ってきた笹竹が各フロアに飾り付けられました。袖ヶ浦には瑞江ホームと同じ社会福祉法人瑞光会が運営する袖ヶ浦瑞穂特別養護老人ホームがあります。昨年は台風15号により長期間の停電に見舞われましたが職員のがんばりや多方面からの応援のおかげで見事乗り越えました。今年はそのような災害が無いことを祈ります。
災害と言えば今は新型コロナウイルス感染症。七夕の願い事にも「コロナがいなくなります様に」とありました。ワクチンの早期開発やウイルスの終息の願は職員に多くみられます。どの施設も同じ状況でしょうが、職員の頑張りには頭が下がります。
今年は家族と自分の健康を気遣い、皆が楽しく長生きできるようにとの願が目立つようです。「子供や孫達が元気で過ごせますように! 私も毎日楽しく過ごせますように! お守りください。」面会もまだ制限をさせていただいている中で、シールド越しでの短時間の面会やオンライン面会をしたご利用者とご家族は、ともどもに元気な顔を見て安心しましたと喜ばれていますが、互いを気遣う気持ちは絶えることが無いのだろうと思います。
願いが叶うならこれほど素敵なことはないので心から応援したいと思うものもたくさんあります。「ゴルフがまだ出来ますように」「デパートに買い物に行きたい」「イカのつまみで酒が飲みたい」「だんなとデートしたい」「旅に出たい」「ハワイに行きたい!!」
本当にみんな叶うといいですね。
さて、今年一番印象に残ったのは、「みんなが先生 よろしくお願いしまーす」。とんでもない、こちらこそよろしくお願いしますと、思わず頭を下げて最敬礼。
かつてこのブログで、「その人の生き様を見ているとその人らしい生の終わり=死のありようも見えてくる。そう思って瑞江ホームに入所されているお年寄りを見ていると皆さん何と健気に懸命に今を生きておられることかと感服します。」と書いたことがあります。改めてそう感じます。
先日11年余り瑞江ホームで生活された入所者様がお亡くなりになりました。96歳の静かな大往生でした。コロナ対策としての面会制限期間中でしたが、看取りケアになってからはご家族に人数も時間も最小限にしていただきながらも面会をしていただくことができました。かすかながらも呼びかけに反応してくれたようだともお話ししてくださいました。最期までご家族にとっても支えになってくださったのでしょう。
看取りケアの時期にはどうしたら入所者様が苦痛を感じることなく平穏にお過ごしいただけるかスタッフは精一杯考えて実行します。お話し好きでいつも笑顔を見せてくださった方でしたので、飛び切りの笑顔の写真をお部屋に飾ることもしました。お亡くなりになったとき、ご家族からそれらの写真をぜひお棺に入れて持たせてやりたいとのお話があり、11年間の入所生活の様々な場面での写真を集めてお葬式に間に合うようにお届けさせていただきました。あらためて見ると素敵な笑顔の写真が多く、ご家族にも喜んでいただきました。
瑞江ホームの職員一同からも11年分の笑顔に感謝申し上げますとともに心よりご冥福をお祈り申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため緊急やむを得ない場合を除き入所者様への面会を制限させていただいております。瑞江ホームではその対策として、5月13日と14日にビデオと電話による最初のご家族との面会を実施しました。
ビデオ面会はマイクロソフト社の通話アプリ「スカイプ」を利用して行いました。自宅のパソコンなどにスカイプをダウンロードしている方はご自宅で面会が可能です。ただし、操作がよくわからない方やパソコンをお持ちでない方なども実施できるよう、施設玄関わきの相談スペースにパソコンを置いて行いました。機器の操作とコミュニュケーションの補助のために入所者様とご家族(来所の場合)の側にそれぞれ職員がついて行いました。1組15分程度の間隔を見ましたが前後5分は入所者様の準備等に必要なため実際の通話時間の目安5分程度とさせていただきました。以下に入所者様、ご家族それぞれの感想をご紹介します。
まずは入所者様から。「画面を通して会えるなんてすごい不思議な感じ。便利になったね。」「息子やひ孫の顔が見られて嬉しい。」「長い間会えてなかったけど、久しぶりに話ができてよかった。孫が元気で嬉しい。」「息子のことが心配だったので、電話で声が聞けて自分も元気が出た。」「ビデオ通話はよかったけど、短い時間なのでまだ話し足りない部分もあった。」
そしてご家族から。「しばらく会っていませんでしたが、元気そうで安心しました。」「職員さんも大変な中、このような機会を作っていただき感謝しています。「少し見ない間にやせた感じはするが、顔色は良いようなので安心できました。」「母の笑顔が見れて良かったです。次は父も一緒に来所したいと思います。ありがとうございました。」
これらの声につけ加えるものは何もありません。やって良かったと思いますし、こうした機会をもっと増やせればと思いますが、無理のないやり方をしていきたいとも思っています。
最後に普段お世話をしているスタッフにもなかなか見ることができない入所者様の姿に接したことをご報告します。感想にもありますが、ご自分が入所された後ご自宅には配偶者と息子さんの二人暮らしでしたが昨年配偶者が亡くなり一人暮らしの息子さんのことがとても心配だったとのこと。声を聞いて安心される姿には職員も元気づけられます。またビデオ通話を切った後、安心されたのか泣いて喜ばれる入所者様もいらっしゃいました。さらには普段は車いすを自走して過ごされることが多く、ほかのことに注意を向けることが少ないように見受けられる方がビデオ通話中には涙を流されることもあり、集中して楽しまれているようでした。
新型コロナウイルス感染防止に対応した「新しい生活様式」が提唱されています。その雛形が示されはしても実際の生活の場面場面でどのように過ごすかは一人ひとりが自分で考えることが大切だと思います。瑞江ホームでは感染防止対策を継続していくことは当然ですが、職員も含めてご利用者、ご家族に今何が必要で大切なことなのか見失うことの無いよう、皆で考え協力していきたいと思っています。コロナ禍を乗り越えるために元気に頑張ってまいりましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言が出て1か月が経過しようとしています。これを書いている日の新聞は緊急事態宣言の1か月程度の延長に向けて政府が準備に入ったことを一斉に伝えました。この間私たちが最も恐れたものは病院と並んで介護施設、障害者施設などでの集団的な感染の発生でした。持病のある者や高齢者は重病化するリスクが高いとされるからです。残念ながらそれは起こってしまっています。このことはどんなに注意をし、備えをしても感染のリスクは全くのゼロにはならないことをも意味しているように思います。
ではなぜ瑞江ホームは通常の業務を継続するのでしょうか。同様の施設であっても、特養への新規入所を一時停止したり、併設するデイサービスやショートステイを一時休業するところもあります。施設にはそれぞれの事情があるので一概に良し悪しを論ずることはできませんし、どの施設でも代替サービスの提供や在宅での介護プランの見直しに必要な情報提供など最善の努力を尽くしていると思います。また瑞江ホームが行っている感染防止対策が完璧であり、他より絶対的に優れているというつもりもありません。それでも感染防止対策をさらに徹底させながらできる限りすべての業務を継続することが瑞江ホームの使命だと考えています。
緊急事態宣言が発出されたとき、政府や都知事からサービス提供の継続が求められたからという理由だけではありません。何よりも一人ひとりの高齢者の生活を支えるためには私たちの提供するサービスが不可欠だと思うからです。一人暮らしでデイサービスに通い、食事や入浴のサービスだけでなく仲間とおしゃべりすることが無上の楽しみという方にとっては、サービスを利用することは「生きること」とほとんど同じとさえいえるのではないでしょうか。またご家族がいてもお互いに安心して生活できるとは限りません。かつて「介護地獄」という言葉が社会現象になりました。その現実を変えるために誕生したのが私たちの担う介護サービスだと思っています。高齢者本人だけでなくご家族にとっても不可欠のサービスだからこそ、様々なご不自由をおかけするかもしれませんが、継続していきたいと思うのです。
それでもリスクがゼロでない限り事業の継続に絶対の保証はありません。感染拡大防止のために事業の休業を要請された場合や万一感染者が出たらどうするかを想定して備えておかなければなりません。今なすべきことの第一は感染の防止であることに変わりはないのです。
そのため面会制限も継続していきます。つい先日大阪市で高齢者施設に入所して面会ができなくなっていた母親を「親孝行がしたい」と引き取った息子が「死にたい」と言われ翌日に無理心中をしたという、何とも痛ましい事件がありました。瑞江ホームの面会制限は感染防止に必要なことと皆様のご理解をいただいてはいますが、何が最善かはいつも考え続けていかないといけないと思っています。希望されればパソコンなどが苦手な方でもリアルタイムでできるビデオ面会や電話のコミュニケーションを近いうちに実施できるよう準備をしています。実施の模様はこの瑞江ホームだよりでも報告いたします。
コロナ禍が終息し、再び平穏な生活に戻れる日まで皆様方とともに精一杯努めてまいりますのでどうぞよろしくお願いします。
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。いつ緊急事態宣言が出てもおかしくないと言われています。瑞江ホームではもともとインフルエンザ対策としての感染防止策を講じてまいりましたが、職員に対して2月下旬以降はマスクの着用、手指の消毒や嗽の励行などの基本のほか毎日の検温の実施、少しでも体調不良があれば必ず報告し無理せず休養することや、 「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」(密閉・密集・密接の3密空間)を避けて行動すること等を実行してもらっています。皆さんが手などを触れる手すりなどの消毒も毎日実施しています。
高齢者や持病のある方が重症化しやすいというリスクを考えてご家族ご友人の面会も制限させてもらいましたが、生命を守ることが何よりも大事なことと皆さんにご快諾をいただきました。利用者の皆さんにはこのような時だからこそ栄養、休養、運動を心がけていただき、感染症の脅威に打ち勝ってもらいたいとスタッフ一同努めてまいります。面会制限はリスクを減らすためやむを得ないものですが、利用者の皆さんの心の平安にマイナスの無いように心掛けねばなりません。むしろ健康増進に有益な方策に目を向けることが必要です。
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言にもありますが、高齢者の「外出機会を確保することは日々の健康を維持するためにも重要になります。お一人や限られた人数での散歩などは感染リスクが低い行動です。」とされています。今ちょうど桜が見頃を迎えています。これまで肌寒い日もあって思うように外出もできませんでしたが、天気の良い日は玄関前の桜を眺めるだけでも十分リフレッシュできるのではないかと思います。「負けてたまるか!」の思いで健康増進策も忘れず取り組みたいと思っています。利用者の皆さんだけでなくそれを支えてくださっているすべての皆さんがこの危機を乗り越えて再び笑顔で語り合うことができる日が一日も早く訪れますように互いに頑張ってまいりましょう。
以前このブログで、陰から陽に変わる季節の境目で邪気を払う行事を行ったのが節分行事の起こりとご紹介しました。その時邪気の象徴としての鬼と申し上げましたが、もともと鬼の姿は古来から多様に語られているようです。中には村の守り神としてまつられている鬼もいるそうです。学者の中には鬼は安定したこちらの世界を侵犯する異界の存在であり、異界のイメ-ジは社会や時代によって多様であるため鬼は多様な姿でイメージされるとともに、異界を幻想ととらえればそれは際限なく広がると説明する方もいらっしゃいます。
瑞江ホームの鬼は極めてオーソドックスな赤鬼、青鬼ですが、それでも心底人を怖がらせ、大泣きさせるという場面がありました。
先日、東部認証保育所の園児たちが豆まきに参加するため瑞江ホームを訪れてくれました。3歳児から0歳時までそろっての訪問でお遊戯の披露の後登場した鬼に豆をぶつけたり、鬼から借りたこん棒でたたいたりで鬼を追い払うはずでしたが…。鬼が近寄る気配を見せると途端に泣き出す子が続出。こうなると慌てるのは鬼の方。途方に暮れる鬼もいれば、自分で自分を叩いて降参する鬼もいます。結局泣く子には誰も勝てないということを証明してしまいました。
こんな場面を見ていると子どもたちはもっともっと多様な鬼たちと出会い、それを乗り越えて力強く成長していくのだろうと想像してしまいます。来るたびに成長を感じる園児の皆さん、機会があればまた素敵な姿を見せてください。待っています。
明けましておめでとうございます。
令和になって最初の新春を迎えました。思えば昨年はインフルエンザが流行し、瑞江ホームでも新年会を中止させていただくなど対応に追われてしまいましたが、今年は1月18日に無事新年会を催すことができました。
当日は冷え込みが厳しく来所されるお客様は難儀だったろうと思いますが、ボランティアの皆様が元気に顔をそろえ、賑やかな会となりました。恒例により根本紗恵子先生とマカレフアの皆さまによるハワイアンダンスを皮切りに、鈴木国江先生と鈴波会社中の皆さまの日本舞踊の後は須賀妙子先生と花みずきの会の皆さまのコーラスを楽しみました。多くのご利用者がカスタネットを鳴らしたり、花笠音頭の手振りをしたりして楽しみ、最後は「故郷」を合唱して会を締めくくりました。根本、鈴木、須賀の3先生はいつもながらご利用者をうまくリードして楽しませてくださり、顔見知りの方も多く、これからもできる限りご出演願えればと思っています。
恒例の餅つきも朝早くから行われました。こちらは法人の評議員でもある松崎悦子さんとお仲間の皆さまが、冷え込んでもち米を蒸すのにいつもより時間がかかったにもかかわらず、鈴木国江先生が差し入れてくださいました50キログラムを搗き上げてくださいました。参加されたご家族にも美味しく召し上がっていただきました。餅つきができる方がだんだん少なくなると言われますが、毎年少しずつメンバーも入れ替わりながら続けていただけることは有難い限りです。今年はマカレフアの皆さんからタオルの差し入れもいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
今年1年がこの日のように和気あいあいと楽しみながら過ごせる年であるようにスタッフ一同努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。