瑞江ホームだより2022

『瑞江ホームだより』2022年

2022年12月26日

年の瀬の行事

 年の瀬の最大イベントはクリスマス会です。例年瑞江特別養護老人ホームと東部認証保育所のクリスマス会は別の日に行われていましたが、今年はたまたま重なってしまいました。しかし、保育園は1週前の17日におゆうぎ会を行い、保護者の皆さんもそちらに参加してくださいましたので、ご一緒させていただきました。

まずは子どもたちの様子からお伝えします。10月の末にハロウィンの衣装で特養に慰問に来てくれた子どもたちは、おゆうぎ会にも同じ衣装で参加しましたが、前回より一段と成長した姿を見せてくれました。コロナ対策のために園児と保護者の皆様にはクラス別に時間を分けて集まってもらいましたが、近くに保護者の顔を見るとすぐにそちらへ跳んで行ってしまうのがこれまで多くあったそうです。11月に行われた運動会でもそのとおりで一人が泣き出すとつられて何人もが泣いてしまったので、今回も職員はそれを覚悟していましたが、一人も泣く子がいなくて挨拶もきちんとでき、職員も驚いたと言っていました。私の目からは、子どもたちが自分で楽しむことを覚えたように見えました。だとしたら大変な成長です。とりわけ3月に卒園を控える2歳児クラスの子どもたちの保護者の皆様はどんなにか心強く思われたでしょう。日々成長する子どもたちだからこそ、保護者のみならず瑞江ホームのお年寄りの皆様にも活力と感動を与えてくれると改めて確信できました。一つの法人がお年寄りと子どもの施設を経営していることをこれからも活かし続けていきたいと思います。

 特養ホームのクリスマス会は例年と同じくトナカイに先導されたサンタクロースが一人ひとりのご入所者様にプレゼントを配り歩く形で行いました。受け取る表情は一人ひとり違います。満面の笑みを浮かべる方、何だろうという興味が先に立ってプレゼントの袋をこねくり回す方、欲しくもないよと言いながらじろりとプレゼントに目をやる方など様々ですが、一瞬子どもの心に帰るのはどなたも変わりないように思われます。その心が可視化されればどれほど美しい景色が見られるかと心が浮き立つのを覚えます。

 もともとサンタクロースのプレゼントは1600年くらい前に小アジアの聖ニコライ(ニコラウス)が貧しさのあまり三人の娘を身売りしなければならなくなった家族を助けるためにそっと金貨を投げ入れたことから始まったともいわれていますが、贈る側も受け取る側も純真無垢な気持ちの持ち主であることが前提となっているのではないでしょうか。全世界に広がる習慣はそれぞれのお国振りによって形を変えながらもその中核は共通しているように思います。瑞江ホームでもやっぱり大切にしていきたい行事の一つです。

 

 今年は年末の寒気がことさら厳しいようで、アメリカでは寒波のため人口の6割が大雪などの警報・注意報の対象になっているとのことです。世界的な気象と聞くと大変なことと思いますが、自衛するしかないと覚悟を決めて乗り切るしかありません。皆様も寒さに負けず良いお年をお迎えください。

2022年10月28日

地域とハロウィン

 

 今年も東部認証保育所のかわいいお化けたちが瑞江ホームにやってきてくれました。ハロウィンは今や若者たちの行事にとどまらず、お年寄りにも人気イベントになりつつあるような気がします。お年寄りの前で手遊びを3曲もサービスしてくれた後でお菓子をもらった子供たちは満足そうですが、ご入所者の皆様ももちろん大喜びです。「かわいいねえ。」と実感あふれる表情でした。

 

聞くと、瑞江ホームに来る前々日に瑞江駅前でハロウィンにあわせて制作した子供たちの作品を他の保育園・幼稚園と一緒に飾り付けを行ったそうです。その時もお菓子をいただいたようですが、瑞江駅前ハロウィンの本番は29日の土曜日です。この日は保育所はお休みの子が多いので、各家庭で仮装した子供たちを連れて参加することになるのでしょう。限定1000名のパレードに入れればお菓子のプレゼントがもらえるとのこと。何回もお菓子をもらえる機会があると感心していたら、31日には近隣の保育園が東部公園に集まって自分たちのハロウィンを楽しむのだとか。子どもたちにとっては、秋のゴールデンウイークみたいなものでしょうか。

 瑞江駅前商店会がハロウィンイベントを始めたのは2017年からと伺いました。世代を超えて楽しんでいる姿を見て思いついたとのことですが、人と人との結びつきを大切にし、人情味にあふれた瑞江地域にふさわしいイベントととしてこれからも育てていって欲しいと思います。とりわけ今年はコロナ禍でしばらく行われなかったパレードが3年ぶりに復活するとあって大いに盛り上がって欲しいものです。

瑞江ホームのご利用者の皆様にもこうした地域とのつながりがもっと実感できるような機会を考えていきたいと思います。地域に支えられて今の生活があるのはもちろんですが、支え合える地域を作ってきたのもご利用者の皆様ですから。コロナも吹き飛ばしてくれそうな子供たちの姿をいつまでも胸にとどめながらまた明日を暮らしてまいりましょう。

2022年9月28日

長寿の集い

 9月17日(土)にご利用者様の長寿を祝う行事「長寿の集い」を開催しました。以前は区長さんの訪問やボランティアさんによる歌や踊りの披露があり、地域のお客様もご招待してのにぎやかな行事でしたが、コロナ禍の影響で3年続けてご利用者様のみの参加による開催となりました。区長さんも今年こそはと訪問を楽しみにしていらっしゃったのにそれがかなわず残念に思われたのか、いつにもまして長文のお祝いメッセージをお寄せくださり、紹介されると拍手が起きたほどでした。来年は選挙がありますが、2期目の区長として必ずお越し頂けることを願っています。

 今年もフロアごとに職員が考えた企画で楽しんでいただきましたが、昨年よりメニューも増え、お世話する職員の熱意も一段と増したように思います。

2階では新たに習字を取り入れ、墨字が難しい方はペン習字に挑戦されていました。面白いと思ったのは、好きな言葉を選ぶとそれが習字のお手本の形でタブレット端末に表示されるのでご利用者様はそれを見ながら清書されていました。書体も選択できるので好きな言葉を自由に選べる利点があり、これも若い職員ならではの工夫かと感心しました。そのおかげか、最初は敬遠されていた方もいざやってみると楽しそうにしていたのが印象的でしたと担当職員の話です。ご利用者様の作品を眺めることで職員も「思ったよりずっときれいに書けている。」ことや「無理と思っていたが書けるとわかった。」ことなど新たな発見をしたようです。習字の後では、三代目古今亭志ん朝の落語DVDを鑑賞し、おやつや水分補給時には笑顔でうれしそうなご利用者様の様子が見られ、実際に楽しかったとの声も聞かれました。

3階は足浴を中心にマッサージを取り入れてリラクゼーションを楽しんでいただきました。浴場を使って10分程度の足浴の間にヘッドマッサージ、足もみ、肩もみのいずれかをご利用者様に選んでいただき、職員が行いました。その間には癒しの音楽も楽しんでいただきました。居室でお過ごしのご利用者様にも手浴足浴を行い、気持ちよさそうな表情がうかがえました。皆さん気持ちよく過ごされ感謝の言葉も多く聞かれた一日となりました。

 4階は昔の遊びのメニューがいっぱい。習字、塗り絵、ジグソーパズル、万華鏡、木のおもちゃ、クラフト紙飛行機、こま回し、シャボン玉、チァフルうさちゃん、あやとり、チャンバラごっこ等々職員と一緒に楽しみました。シャボン玉は5階ベランダで行いましたが、ピストル型の発生器を空に向けるだけで自動的にたくさんのシャボン玉が空中に舞い、演じる方だけでなく見物する方も一緒に楽しんでいました。玩具の種類がたくさんあったので、いろいろなものを選びながらご利用者様同士で遊んだりして交流を深め合う場面も多く見られました。職員もご利用者様との関りが一段と深くなったと感じたようです。

 コロナ禍の影響があり、楽しいイベントも制限がまだありますが、とにかくご利用者様が笑顔で過ごせる機会を少しでも増やすことを皆で考えて実施していきたいと思っています。

習字
習字風景
足浴
足浴2
チャンバラ
シャボン玉
2022年7月15日

七夕にかける願い

デイサービス七夕飾り

デイサービス机上飾り

 機織りの名手・織姫と働き者の牛使い・彦星が結婚後に天帝の怒りを買って天の川の両岸に離れ離れとなり、年に一度だけ再会することを許されるという七夕伝説には、悲恋物語の色合いが濃く感じられますが、メインテーマは恋愛にあらず、技芸に励み働くことの大切さを説いたお話とのことです。仲睦まじいばかりで仕事をせず、離されると悲しみに暮れるばかりでやはり仕事をしない状況を改めるため、仕事に励むことを条件に年に一度の再会が許されたのが本来の経緯となれば、七夕の願い事も単なる欲望の達成を願うのではなく、習い事や勉強の上達、自ら努力して成し遂げるべき夢や目標の実現をこそ願うのが筋だそうです。なるほどと思いますが、瑞江ホームのご利用者の願い事には欲望の達成も努力の目標も極く自然に一体化した境地が表れているように思われてなりません。

「結婚したい」とさらりと書かれた短冊には欲望の表現というより終末を見据えた自らのありようを考える姿勢が窺えます。「おいしい万寿が飲みたい」とは私などにとっては究極の欲望表現にも思えますが、もう一度お酒を楽しむ体力を回復する望みを捨てないあっぱれな努力目標でもありましょう。「めんたいこが食べたい スイーツもいっぱい食べたい」「キンキキッズのコンサートに行きたい」「温泉に行きたい」などなど、実現は難しいかもしれないと思ってはいてもより良く生きる努力を捨てない真摯さと執念とが感じられるのです。

こうした思いを強く感じさせるとともに、いつも最も多くの人に共通した願い事が二つあります。それは、「健康で過ごしたい」という願いと、「家族に会いたい。家族と暮らしたい」という願いの二つです。今年は長期間に渡り続いているコロナ禍の影響もあり、二つの願いは一層切実さを増しているように思います。身体の痛みさえなくなればずっと快適に過ごせるだけでなく自分でやれることももっと多くなって楽しく過ごせるのにと願う人、これまで健康で過ごせたことに感謝しながらこのままでいたいと願う人、自分だけでなく家族や同室者皆の健康を願う人などなど、入所者やデイサービス利用者の別を問わず健康は誰もに共通した願いであり、最大の努力目標でもあります。

 家族への思いはコロナ禍で面会制限が続いた影響もあり、ご入所者様に目立っているように思います。その中でデイサービスのご利用者様の願い事を一つご紹介します。「健康で元気にお母さんと暮らしたい」との願いからは恐らくご高齢のお母さまが元気で長生きできるよう自分が頑張るという決意があります。「愛をこめて」と添え書きされた短冊にお母さまへの深い思いを感じます。こうした家族への思いは「元気な世の中になってほしい」と日本や世界の人々が安心して暮らせる世の中を願う気持ちにつながっていくのだろうと思います。

願い事を結びつける笹竹は、天の神様が依りつくところ(依り代)とされていますが、瑞江ホームでは毎年千葉県袖ケ浦市の自生の笹を分けてもらい、自分たちで運搬してきて使っています。手間をかけた笹竹を天に向かって掲げることで少しでも願いが届き、天からの恩恵があることを祈っています。私たちスタッフが少しでもご利用者の願いをかなえる手助けができるならこれに勝る喜びはありません。

最後にもっとも印象に残った短冊を一つだけご紹介します。「七夕に願いをかけて、我が人生 終わりを良しと願うこの頃」

2F七夕飾り

3F七夕飾り

4F七夕飾り

2022年6月6日

アマリリス

アマリリス

 大輪の花を見ると誰しもその艶やかさ、豪華さに心浮き立つ思いがします。NHK「みんなの趣味の園芸」で1株でもインパクトがある花と紹介されているのがアマリリスです。瑞江ホームでもご入所者のご家族からいただいたアマリリスがみんなの目を楽しませてくれています。赤白の一株ずつが、すっと伸びた茎の先に花径10cm以上もの花が3輪、4輪と咲き誇るさまは見ごたえ十分です。

アマリリスの園芸品種は数百種類もあるそうですが、原産地は中南米とのことです。ヒガンバナ科ヒッペアストルム属の植物の総称をアマリリスというそうですが、学名上はヒガンバナ科アマリリス属が区分されており、こちらは南アフリカ原産でホンアマリリスのほかもう1種類の原種しかありません。そのうえアマリリスをヒッペアストルム属に分類する以前は、アマリリス属に分類していたというし、ヒッペアストルム属の和名をアマリリス属としている場合もあるそうで、何がなんだか混乱してしまいます。

学名上の分類を考えるより、花言葉を調べる方がずっと楽しそうです。アマリリスの品種や花の色がたくさんあるように、花言葉も多様です。「おしゃべり」「輝くほどの美しさ」「内気」「誇り」「虚栄心」「臆病な心」などがあります。「おしゃべり」は、花が横向きに咲くので花同士が会話しているように見えることからついたそうですが、いかにも納得です。きっと楽しい話題に満ち溢れていることだろうと思います。

「輝くほどの美しさ」「内気」「誇り」はギリシャ神話のエピソードに由来するそうです。羊飼いの少女「アマリリス」は羊飼いの少年に恋をしていましたが、内気なためその気持ちを少年に伝えることができなかったため、神様にお願いしたところ、一本の矢を与えられ、その矢で自らを傷つけると、血の流れ落ちた場所に美しい花が咲き、これをきっかけに二人は結ばれました。この花が目を奪われるほど美しかったことから「輝くほどの美しさ」という花言葉が、少女が内向的であったことから「内気」という花言葉が、自らを傷つけてでも恋を実らせたことから「誇り」という花言葉がつけられたのだそうです。

アマリリスの花は、下向きのものは自信なげに、上向きは威張って見えたりと花の角度によって印象が変わるので、その姿から、「虚栄心」や「内気」「臆病な心」などの花言葉が生まれたそうです。

こうしてみると、「輝くほどの美しさ」を体現している方にとアマリリスを贈ったら、「おしゃべり」や「虚栄心」の意味にとられることもあり得るかと心配になってしまいます。純粋に今咲いている花を楽しむだけの気持ちで花に接することが一番いいのではないかと思ってしまいました。とはいえ、インパクトのある花ということだけは間違いありません。

2022年5月10日

刺繡とアート盆栽

アート盆栽

 刺繍は女性がするものと決まっているわけではありませんが、刺繍をする女性を見ているとていねいで粘り強い仕事ぶりの中に、確固とした強い意志を感じて「男にはまず出来ないな」と思ってしまうのは私ばかりではないだろうと思います。このたび入所されている方の若いころ、と言ってもカルチャー教室で学ばれたとのことですから、恐らく60代の頃の刺繍作品を瑞江ホームの中に飾らせていただくことになりました。それがとにかく立派としか言いようがないほど素敵な作品です。横1mはあろうかという大きさもさることながら、金のうろこをきらめかせながら雲中に半身を現した龍の迫力ある荘厳さが素晴らしいのです。それも上り龍と下り龍の一対ですので、各々の性格まで想像されるようで興味が尽きません。

いつ頃お作りになられたか尋ねますと「さあ、もうずいぶん前の事」とおっしゃいますが、額装されてきれいなこともあって全く古さを感じません。ご覧になる方々は皆、「大したものだ」と感心しきりです。

刺繍作品だけでも貴重ですのに、ご家族様は同じご入所者さまの作品でアート盆栽の大作も一緒にお持ちくださいました。こちらは見事な五葉松です。瑞江ホームの玄関両脇には五葉松が植えられてホームの象徴ともなっているだけにうれしい贈り物でした。葉の一本一本にいたるまで本物そっくりです。大変な時間と労力をかけなければできるものではなかろうと思います。多くの方にご覧いただいて楽しむことができるよう展示を考えていきたいと思っています。

ともあれ貴重な機会をくださいましたご入所者様とご家族様に心より感謝申し上げます。

刺繍作品一対
上り龍
下り龍
2022年4月14日

お花見

 春の兆しが現れたと思うと一気に初夏の陽気に近くなり、かと思うとまた真冬の寒さに逆戻りと気をもませてくれた3月でしたが、下旬になって桜の開花宣言が聞かれるとあっという間に見ごろを迎えました。待っていた外出の好機でしたが、晴れても風が強い日が多く、思うように出かけられない歯がゆさもありました。それでも寸暇を見つけては、近くの公園まで散歩に出かけ、それが無理なら玄関前で隣接の小学校の桜を眺め、それさえ難しければフロアのベランダから花見を楽しむといった具合に、最大限に外気に触れて楽しみました。

心を浮き立たせるものは、花見が一番です。「花より団子」の向きももちろんいらっしゃるでしょうが、満開の花の豪奢な眺めとの比較があったればこそ実感を伴うという意味では、花見の序列第一位は揺るぎようがありません。幸いに瑞江ホームの周辺には桜が多く、ご利用者も存分に楽しむことができます。おかげでスタッフも桜の花とご利用者の笑顔の花の双方に囲まれて幸福なひと時を過ごすことができるのです。

隣接の春江小学校は、平成27年に立派な新校舎が完成しましたが、以前も校庭の桜が素敵でご利用者の楽しみともなっていました。改築に際して多くの方から桜を惜しむ声があり、それを考慮して現在のように桜が多い学校となったと伺っています。学校の桜はこれからも長く多くの人を楽しませ、児童の胸に誇りを抱かせる存在であり続けてほしいと思います。瑞江ホームもお隣から見守り、桜の木だけでなく、児童の皆さんも応援し続けていきたいと思っています。コロナ禍が収まったら、また体験学習に来てください。その日を楽しみに待っています。

2022年4月14日

春の行事

 春の行事として真っ先に思い浮かぶのはひな祭りです。瑞江ホームでは寄贈を受けた雛飾りなどを各フロア等に展示してご利用者に楽しんでいただいています。

もともと雛祭り行事の由来は、古く中国・唐の時代に行われていた五穀豊穣・無病息災・子孫繁栄などを願い、穢れを祓う五節句の一つである「上巳の節句」と、日本の平安時代に貴族社会で行われていた「ひいな遊び」の要素が合わさって生まれた風習と言われています。

上巳(じょうし)の節句は3月3日に水辺で身体を清め、宴会を催し、災忌を祓うという風習があり、一方、日本には土偶や埴輪のように人形を信仰の対象物として扱う伝統があり、奈良時代には紙や草木で人の形をしたもの作り、これで体を撫でて病気や禍を移し、川に流す「流しびな」のもとになった行事がありました。「上巳の節句」が日本に伝来したとき、「流しびな」の風習とあわさり、さらに平安時代に貴族のお姫様の間で大流行した「ひいな遊び」と結びついて、ひな祭りが生まれたということのようです。

ご利用者の皆さんも、飾られた雛人形を眺めながら、「立派だねえ。」と感心しながら春の訪れを実感してくれたようでした。

 伝統行事ではありませんけれども、春らしさを感じる行事として「桜カフェ」を行いました。桜の開花時期にあわせて桜花をイメージする淡いピンクとグリーンの2種類のロールケーキとアイスカフェオレでカフェ気分を味わってもらいました。好みで生クリームを添えましたので、本物のカフェに行ったようだと好評でした。ケーキも食べやすく、見て楽しむこともでき、幸せな気分になれたとの声もあり、次はホットコーヒーに生クリームを添えて飲みたいとのリクエストに応えていきたいと思っています。

これからも季節感を実感できる行事を実施してまいります。

2022年2月4日

節分

 2月3日は節分です。節分の献立といえば炒り豆の他には恵方巻を思い浮かべる方が多いようですが、いわしを食べることも昔から行われていたようです。中でも房総半島の郷土料理である「さんが焼き」は柔らかくその香ばしさから人気がある料理の一つです。今年の節分メニューはその「さんが焼き」でした。農林水産省のホームページでは、次のように紹介されています。

房総半島周辺では昔からアジやイワシ、サンマなどがよく獲れた。漁師たちは獲れたての魚を不安定な船の上でも簡単に調理できるということで、味噌といっしょに細かくたたき、「なめろう」という料理をつくった。あまりの美味しさに食べ終わったお皿までなめてしまうことからその名がつけられる。この「なめろう」を漁師は山へ仕事に行くときに、アワビのからに入れて持っていき、山小屋で蒸したり焼いたりして食べた。千葉の古い方言には、「〇〇の家」のことを、「〇〇が」という訛りがある。したがって山の家で食べた料理ということで「さんが焼き」と呼ぶようになる。』

この文章を読むだけで私なぞは茶碗酒をなめながら至福の時を過ごしている気分になってしまうのですが、瑞江ホームの節分メニューはこの「さんが焼き」がメインでした。ほかに卵豆腐や鶏肉の炊き込みご飯も春の兆しを感じさせてくれました。おやつに炒り豆といいたいところですがさすがに固いので、こなれのいいお菓子の豆になりましたが、喜んで食べていただけたようです。

おやつの時間に合わせて例年通り鬼の登場です。炒り豆代わりのお手玉を上手に鬼に投げつける方もいれば、お手玉で優しく鬼をたたく仕種をする方もいらっしゃいます。「怖い鬼だぞ」と鬼本人も懸命に声をあげたりするのですが、ちっとも怯えさせられないところがご愛敬です。しかし油断しているとおもちゃの金棒でポカリということもあって、なかなか面白く皆さん楽しまれた様子です。今年は鬼の退散だけでなく、コロナ退散の願いも込めての節分行事となりました。

春の訪れとともにコロナ禍が終息し、平和な日常が取り戻せるよう心から願います。

2022年2月1日

令和4年 新年会

バングラディッシュ出身職員の獅子舞

バングラディッシュ出身職員の富士山

 1月15日(土)に新年会を行いました。オミクロン株による新型コロナウイルス感染症の急拡大の中、ご家族ご来賓の参加やボランティアの皆さんによる歌や踊りのプレゼントのほか恒例の餅つきも実施できませんが、職員企画による様々な催しでご入所の皆様にお楽しみいただきました。

1階フロアでは3代目古今亭志ん朝の落語DVDを鑑賞しました。懐かしい姿に心を和ませた方もいらっしゃったのではないでしょうか。コロナ前には毎月1回「江戸川落語研究会」のメンバーによる「瑞江ふれあい寄席」を行っていましたが、未だ再開することができません。コロナ禍が終息し、再び寄席を楽しむことができることを心から願います。

3階入浴場では足浴を実施しました。皆様とても気持ちよさそうで、中には看護師が「血流が良くなった。」と感心するほど効果も見られた方もいらっしゃいました。目の前には銭湯壁画に見立てて富士山や獅子舞の絵が飾られていましたが、実はこれ昨年採用された職員が制作しました。初のバングラデシュ出身職員ですが、独特の色遣いが面白い感じです。これまでなかなか新卒者の採用ができませんでしたが、今は介護福祉士養成校に通いながら卒業後の採用を前提にアルバイト中の留学生がいます。今年は中国からの留学生を正式採用する見込みとなっていて介護従事者の国際化が瑞江ホームでも現れそうです。日本人の新卒者も採用見込みとなっており、若い力で瑞江ホームを盛り上げて欲しいと期待しています。

各階フロアでは様々な創作活動を行いました。コマ回し、福笑い、お習字、すごろく、折り紙、バルーンアートなどですが、自分ではできないご利用者も他のご利用者や職員がやるのを楽しそうに眺めていらっしゃいました。習字やすごろくは久しぶりで楽しかったと笑顔が多く見られ、折り紙では子供の頃姉妹でよく遊んだ時のことや千代紙を思い出すといった話が聞かれました。周りで見ている人も「細かい作業はできないが、折り紙を折っているのを見ていると楽しい気分になる。」と話されていました。出来上がった作品は一枚の紙に貼って掲示し、皆で楽しみました。書初めの掲示も行いました。

コロナ禍での行事は制約も多くありますが、皆で楽しむための工夫も多く見られ、ポストコロナでも引き継いでいけるものはぜひそうしたいと思っています。いずれにしてもコロナウイルスが一日も早く終息し、心置きなく様々なイベントを楽しむことができるよう、一層心がけてまいりますので、皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。

DVD鑑賞

古今亭志ん朝

バルーンアート

作品展示

足浴風景

足浴中の利用者

2022年1月6日

新年のご挨拶

わずかな木漏れ日

 明けましておめでとうございます。

三が日からよく晴れた日が続いていますが、上空の寒気が強まり日差しは届いても空気は冷たく防寒対策が欠かせない日が続きそうです。ご利用者様の中には窓際の日差しのぬくもりを求めてカーテンに身体を包んで立っておられる方もいらっしゃいます。近づくと「あなたもお入りなさい。遠慮しないで。」と誘ってくださったので、しばらく二人並んでカーテンをまとって日差しを浴びていました。微かな日差しなので窓ガラスの冷たさを払えるほどではなく、ほどなくして廊下のソファーに移りましたが、心は何とも言えぬ温かさに包まれた気がいたしました。このような気持ちで一年を過ごせたら幸せだろうとおもいます。

広報えどがわ1月1日新春号に「100年をつなぐ笑顔の輪」の写真が載っています。令和・大正・明治生まれの区民の笑顔で、もちろん瑞江ホームのご利用者様も飛び切りの笑顔を見せてくれています。新型コロナウイルス感染症の脅威が未だ収まらない中ですが、日々皆様が笑顔でお過ごしできるよう精いっぱい努めてまいりますので、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年が皆様にとりまして良い年となりますよう心からお祝い申し上げまして、新年のご挨拶といたします。

最高の笑顔

正月料理